かつて成人病と呼ばれていた病気は、生活習慣によって引き起こされるということから、1996年12月に生活習慣病と呼ばれることになりました。生活習慣の変化によって引き起こされる成人病は、年々若年化が進んでいます。食生活に上手にドライフルーツを取り入れて、凝縮した健康パワーを活用しましょう。

人類の敵、活性酸素

多くの人に知られ始めた活性酸素は、人類のありとあらゆる病気を引き起こす引き金となる恐ろしい酸素です。体内に取り入れられた酸素の約2%が、活性酸素へと姿を変えます。また、紫外線、放射線、ストレス、喫煙、食品添加物、電磁波など、活性酸素を発生させやすい要因が、現代社会にはたくさんあります。
活性酸素が本来持っている、その強い酸化力は、体内の病原体と闘ったり、解毒の働きをする生体保護機能のためのものです。しかし、病原体が手ごわいと、過剰な活性酸素が作り出され、体内の正常な細胞まで巻き添えに、酸化させる危険性を持っています。この害は、全身60兆の細胞や器官におよび、あらゆる病気の源となっています。遺伝子を損傷させガンになるもとを作る、悪玉コレステロールを酸化させ動脈硬化の原因を作る、新陳代謝に欠かせない酵素を酸化させ代謝異常を起こさせる、また、老化の原因をも作ります。糖尿病はもちろん、アトピ性皮膚炎、白内障、肝炎などの炎症、痛風、しみ、しわまで、活性酸素が関わっています。
人間の体はうまくできていて、体内には、こういった活性酸素を撃退する抗酸化システムが備わっています。抗酸化酵素、スーパーオキサドディスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼ、グルタチオン還元酵素などが、酸化を防ぎます。この抗酸化システムは、25歳をピークに年をとるにつれて、活性能力が衰えてきます。ですから体内でまかなえない抗酸化機能を外から補うことが必要になってきます。それが、ビタミンC・E、カロチノイドやフラボノイドなどの抗酸化物質、そして酵素の働きを補いパワーを活性化するミネラルです。

現代の食生活の変化が成人病を引き起こす

現代の食生活は、多くの食品のコーティングや加工に起因し、精製・加工食品の中に含まれる食塩や脂肪をとりすぎる傾向にあります。
また、野菜の摂取不足や野菜に含まれるビタミンやミネラルの量が減少しています。さらに食の欧米化によって食物繊維を多く含んでいる、穀類、豆類、海草類などの日本の伝統食を食べなくなっています。
ビタミンやミネラルの栄養素は、体を構成する60兆もの細胞の生理作用が、スムーズに進められるために必要な酵素を助ける補酵素としての重要な役割を果たしています。こういったミネラルは、食事から不足するだけでなく、ストレスの増加からも急速に減少を招き、細胞の正常な働きを損ないます。その上免疫力が低下し、自然治癒力が弱くなり、病気にかかりやすくなります。
また、食物繊維は、排便を促進するだけでなく、発ガン物質を吸着し一緒に排泄し、腸内環境を整えます。食物繊維の不足は高コレステロール血症、高血圧症、糖尿病や肥満、大腸ガンなどの発生する危険が高まります。いずれにしろ、現代の食生活の変化は、従来にはなく若年層の成人病を引き起こす重大な原因となっています。